平田 羽山 書歴・著書

当センター初代会長

 平田 羽山 書歴

下記の書歴に加え、

酒田市立亀ケ崎小学校、酒田市立第三、第六中学校をはじめ、市内小中学校の校歌、教育目標等揮毫。

文化センターにおける酒田市お正月書初め大会指導等地域文化活動に協力。

東日本大震災後の石巻市への「一書一灯運動」を企画、推進。義援金と共に皆様の書を通して復興支援に協力。

等、地域への貢献を第一に精力的に活動を展開した。

※ 平成31年逝去

石碑

↑平成16年 尾花沢そば街道 石碑揮毫 (高宮農場)

羽山先生 斎藤茂吉文化賞 受賞を記念して 

書道教育センター 

理事長 齋藤希石

 

 「本会は書技の向上、人格の向上陶冶と併せて書道文化の発展を期すことを目的とする」


 これは、書道教育センター会則第一章第二条の条文ですが、恩師の書家活動原点は、まさにここにあるのではないかと思っております。

昭和36年書道研究誌「書春秋」を発刊、羽山先生の編集作業がスタート。その後半世紀に及んで続けてこられました。この時の書春秋書道会同人に伊藤 茂、石川 翠朴、富樫 鴻洲、金子 鶴汀、阿部 鳳堂、佐高 茜舟、佐藤 耐雪、佐藤 如宇、桜井 古遊の各先生が名を連ねております。

昭和44年9月には、第1回書春秋書道展開催(庄内から公募することとなり、第1回展とする。現在の本展の回数はこの年から数えている)。

昭和47年4月に書道教育センター開校式が開かれ、同年5月に「書道教育」誌第1号発刊。題字は虞世南の書より集字。9ヶ月後の昭和48年1月「新年所感」に初代センター理事長齋藤繁雄氏(中央西町 玉祥堂社長)は、当時の様子や思いを次のように語られております。


「当書道センターは、開設以来10ヶ月の未熟児である。70代、60代、50代、諸々の年齢層が入っているが、何ら年齢の差な どは感じられない。そこには志を同じくする者の友愛の情と、真実を求めようとする熱気が感じられる。こんな楽しい書道をどうしてもっと早くやらなかったのかと、後悔しているのは50代の人に多い。又、私は下手で人前では恥ずかしくて書けないという人も沢山いるが、当センターのある実力者は、職場に入った時「お前さんの字は小学校三年生だなあ」と軽蔑されたことが発奮の原因になったと言っている。・・・書は人を創るといわれる通り書を通じて人生勉強になる。又、最後まで自分の味方で、自分を慰めてくれるもの、それも書である。明日とは言わず、今すぐにでもその味方を養成してほしい・・・。」


この一文から、スタート時の和やかな雰囲気中にも熱い思いが伺い知れます。

 昭和50年3月鶴岡書道教育センター開設、先生の開設時の思い、その一文も紹介いたします。



 “誕生その意味するもの”

「この地の土壌を考えた時、文化的質の良さには永い伝統があります。このことについての論議の必要はなく、理屈以前の血とでも言えるものでありましょう。さて、この共通理解の上に立って、センター誕生と以後の成長を展望する時、書道芸術の新展開が遠からず実現するのではなかろうかと期待しない訳には行きません。いや、きっとセンターの機能を基盤にして、会員の人達は新展開をはかるようになるにちがいありません。言うまでもなく、一朝にして作家が出現する道理もありませんが、センターの対外的活動も含めた方針に添いつつ、学習を積み重ねていくという事を前提にして展望する時に、新展開を予測することは容易でありましょう」

“役割と性格”

「大学システムと同形の指導システムです。ここにセンターの一大特色があります。しかし、大事な事は、社会的にどのような役割を果たすかということです。その機能がどの程度のものであるか。これがセンターを見る社会の目であると言えましょう。これに応える為にも、センター事業として、県下公募展を主催し、書道振興をはかり、研究会員展を開催して、学書の姿を世間に問い、同時に反省と意欲を高め、勉学を深め同志の輪を広めて、書道芸術の土壌の質をより高めていこうとするものです。酒田、鶴岡、あくまで一本化であり、両者の統一のもとに、理想的な地方の書活動と学書の場にしなければならないものと思います。会員の自主自覚に待つところ大いなるものがあると言えましょう。」  

 


 その後書道振興基盤を整え、本格的な活動に入ります。そして同年日展初入選し、以降21回の入選を果たします(当時日展会友)。

さらに、平成8年には天真全国書道展内閣総理大臣賞、平成17・20年には日本書芸院展「史邑賞」受賞等多く受賞歴を残し、その間、書道の振興発展のため昭和60年酒田市書道連盟設立に寄与(平成4年会長就任) し、酒田市美術館評議員、読売書法展理事、山形県書道連盟副会長、書道研究「五華会」大阪副理事長を歴任されております。

出版された著書として、『芭蕉を語る』『庄内の書・その伝統形成から現代へ』『書と語る』がありますが、特に『芭蕉を語る』については、3ヶ年に及び県内外の芭蕉研究者・学者・中国人を含む52人から執筆頂いたものを編集しております。


このように、歩んできた数々の功績が認められ、平成28年度(第62回)齋藤茂吉文化賞を受賞されました。その受賞に羽山先生は、受賞の喜びとともに

「書に年齢は関係ない。自分の納得できる書を生み出し、さらに進化した書を目指していく」

と語っておられました。

                                                                               

平田羽山 著書   

書道教育センターで閲覧できます

「庄内の書」 ーその伝統ー 形成から現代へ

 平田羽山 編著

「書と語る」 

 平田羽山 著

「芭蕉を語る」

 平田羽山 編

平田羽山 書展

平田羽山 書展